発泡スチロール模型その2 |
異性体などの説明のときにHGSなどを使うと、小さすぎて後ろの方の生徒にはよく見えない。大きな分子模型も市販されているが、高価でなかなか手が出ない。そこで発泡スチロール球(以下P.S.球)とポリエチレン管で演示用分子模型を作った。
ポリエチレン管をさす位置決めをするのが面倒なので、全国理化大会の発表1)にあったものを利用した。また、ポリエチレン管が抜けやすいので、抜けないようにひと工夫した。
HGSとP.S.球モデル
刃物を使うので怪我のないように十分注意すること。
(1)P.S.球に色を塗る
P.S.球の穴に爪楊枝をさし,それを台にさして,
ポスカor水性スプレー塗料で塗る。
乾燥機(60℃,10分間)で塗料を乾かす。
炭素 φ50mm 黒 4個
酸素 φ50mm 赤 1個
水素 φ35mm 青 10個
これだけあれば、
・C4H10の異性体(ブタンとメチルプロパン)
・C4H8の異性体(1−ブテンと2−ブテン,
シクロブタン,メチルシクロプロパン)
・C4H10Oの異性体(1−プロパノール、2−プロパノール、
ジエチルエーテルなど)
・第1級,第2級,第3級アルコール
などいろいろな説明に使える。
(3)P.S.球の穴あけ
1) φ50mmのP.S.球に爪楊枝のとがっていない方をさす。
2) 1)の爪楊枝を位置決め型の底面の穴にさし,型に固定する。
3) 位置決め型の峰に沿って、P.S.球に爪楊枝を垂直に突き刺す。
4) コルクボーラーを爪楊枝にかぶせ,P.S.球にφ5mmの穴をあける。
5) あけた穴の直径方向にカッターで切れ込みを入れる。
(3)ポリエチレン管の加工
1) ポリエチレン管を炭素用70mm,水素用50mmに切る。
2) ポリエチレン管に切れ込みを入れる。
3) 抜けにくくするための厚紙をポリエチレン管の切れ込みに差し込む。
C2H4のモデル
C2H2のモデル(4)模型の組み立て
1) 厚紙を差し込んだポリエチレン管をP.S.球の穴に差し込む。
2) 差し込むめることが確認できたら,紙に接着剤をつけて,接 着する。
3) ポリエチレン管に長さ3cmアルミニウムパイプを半分差し込む。
アルミニウムには切断時のバリを残しておくと抜けにくくなる。
4) ポリエチレンどうしをアルミパイプでつなげば完成。
5) ポリエチレン管が長いと感じたら,ポリエチレン管を切る。
・ 位置決めは丁寧に
・ 球の中心を貫くように穴を開ける
1) 岡野道也,全国理科教育大会研究発表資料集,22,p.126(2000) |